23.3.13

石塚雅子 展「彼方」

先日、埼玉県・浦和の喫茶兼ギャラリー"楽風"(らふ)にて開催されている石塚雅子さんの個展にお邪魔して来ました。
旧中山道沿いの古い茶舗の裏手にある築120年の納屋を改装し営まれてるこの画廊は、梁や土壁が残る独自の空間。
お話を聞くと今回の雅子さんの主題は「繰り返す命」だそうです。私たちはどこから来て、どこへ向かうのか… 2年前の震災からそのテーマを軸に制作されたという油絵は、雅子さんの長年のモノクロームの沈黙を破って、赤や黄といった色で表現されています。

生命という題材は本当に具体的でありながら抽象的なので、取り扱うにはやはり繊細な心が必要に思われます。その中で雅子さんは画面の中にその生命の象徴として"万華鏡"の世界をちりばめたとおっしゃっていました。

学生の頃からダークな色を好んで使っていた彼女にとって「これらの映える色は何処からやってくるのですか?」と伺ったら「うーん。なんか出てくるんだよねぇ(笑)」と。

落ちついた雰囲気の中で畳に寝っ転がって鑑賞されるお客さんもいるそうです。「あっ!この角度いいね」なんて。しんとした空間は絵の静かな躍動と調和して、人の気持ちを心のあるべきところに収納するように時間を一点のベクトルに向かって流します。これはあくまでも私がその場に身を置いたときの感想です。

ボケッとしてBlogの更新が遅れてしまったため残すところ個展はあと3日(〜3/26)までなのですが、皆さんも是非足を運んでみてください!1階の喫茶店でも美味しい日本茶と和菓子が頂けますよ。



julia